今回は、ボールを投げるときの肩の痛みやベンチプレスで肩が痛い(スポーツ障害)、関節のひっかかりやつまり感など肩の問題を解決するためには理解しておきたい、インナーマッスルとアウターマッスルの関係について解説します。
肩のインナーマッスルとアウターマッスル
はじめに、
肩のアウターマッスル
アウターマッスルとは表層からすぐ触れることができる筋肉で、その働きは肩関節を大きく自由に動かす時に活躍する筋肉です。
・三角筋
・大胸筋
・僧帽筋
・上腕二頭筋 etc...
などが肩のアウターマッスル。
自分で触ってみてもすぐにわかりますが、ボディビルダーや筋肉質で脂肪が少ない人では、見た目ではっきりと筋線維をみることができます。
見た目がいいからトレーニングのやりがいもあると思います。
次に、
肩のインナーマッスルについて
肩のインナーマッスルは、ローテーターカフや回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)などとも呼ばれますが同じ意味です。
肩のインナーマッスルは4つ
・棘上筋(きょくじょうきん)
・棘下筋(きょくかきん)
・小円筋(しょうえんきん)
・肩甲下筋(けんこうかきん)
肩甲骨の前に1つ、後ろに3つの筋肉で肩のインナーマッスルは構成されています。
参考:team LaBody
インナーマッスルの働きによって、肩甲骨と上腕骨の軸が作られています。インナーマッスルが働くことで、肩関節の安定性が保たれます。この軸がしっかりできていないと、腕を上げた時に肩がつまる感じがする、ボールを投げた時に痛みがでるなどの問題が起きてきます。
肩関節でこんな状況が起きています。(写真右下、上腕骨と肩甲骨の軸がずれて関節が衝突している様子)
出典:投球障害肩こう診てこう治せ
インナーマッスルは、深部にあるため見た目ではわかりにくい筋肉ですが、肩を動かすためにはなくてはならないものです。
この2つをまとめるとこのようになります。
・インナーマッスル:深部の筋肉 働きは、関節の軸をつくり安定させる役割(スタビライザー)
・アウターマッスル:表層の筋肉 働きは、肩関節を自由にダイナミックに動かす役割
両者は、お互いの働きを併せ持つことで自由に肩を動かし運動やスポーツでも力強い動きをできるようになります。
自動車に例えると、大きな駆動力を生むエンジンがアウターマッスルだとして、サスペンションやショックアブソーバー、スタビライザーなどの安定性を保つ装置がインナーマッスルだと思ってください。
そうすると、エンジンはパワーがあるけどスタビライザーなどの安定装置が弱いと、想像の通り、走行中に自動車は故障してしまうでしょう。
肩でも同じようなことが言えます。大胸筋や三角筋などのアウターマッスルだけ鍛えていると肩に詰まり感や痛みとしてでてきます。
このような状態の時には、初期段階では肩のインピンジメントといって筋肉や腱が関節に挟み込まれる症状が起こっている場合があります(先ほどのレントゲン写真)。さらに痛みを我慢して運動を続けていると、回旋筋肩板損傷ということにも繋がってきます。
三角筋や大胸筋などのアウターマッスルは、筋トレした分だけ大きくなり筋力アップもわかります。
これに対して、
肩インナーマッスルのトレーニングは非常に地味です。見た目にも筋肉がついたかどうかわからず、ましてやトレーニングに取り組んではみたものの意味があるかどうかわからず、インナーマッスルトレーニングをやらなくなってしまった、という人がたくさんいらっしゃいます。
日常でも、スポーツや筋トレなどにおいて肩を自由に使った時に、つまり、引っかかり、痛みなどがない場合は大丈夫ですが、
棚の上の物をとろうそしたら肩がつまる、ベンチプレスやサイドレイズなど筋トレしてると肩に痛みが走る、ボールやラケットを振った時に肩が痛い、などという時には、アウターマッスルとインナーマッスルのバランスがくずれている可能性が高いので、症状が軽度の段階でケアをした方が回復も早まります。
参考までに、
肩のインナーマッスルトレーニングはこのような軸回線を行います。(こちらの動画は棘下筋と小円筋のトレーニングです)
参考:YouTube:Shoulder External Rotation(With Cable)
早期回復には、早期ケアをお忘れなく。
今回はここまで。
肩のお悩み、スポーツ障害の整体はコンディショニングハウス「みずき整体院」へお任せください。