股関節は体のどこにあるか知ってますか?
イラストでみるとだいたい股関節は、赤丸の部分にあります。
もっと外側にあることを想像した方もいらっしゃったのではないでしょうか?
実際にはこのようなつくりになっています。
股関節とは、骨盤と大腿骨でつくられる関節を股関節といいます。
骨盤側にある寛骨臼(かんこつきゅう)と大腿骨側の大腿骨頭(だいたいこっとう)で関節を作っている部分が股関節です。
骨盤側はお椀の形をした凹みがあり(寛骨臼)、受け皿になります。大腿骨側は凸状(大腿骨頭)になっていて寛骨臼に適合する形になっています。
股関節の動き方
股関節は自由に色々な方向に動きますが、動く方向を分けて理解するとわかりやすくなります。
股関節の動き、6つ
股関節の運動
➀屈曲
②伸展
③外転
④内転
⑤外旋
⑥内旋
あとは、これら6つの動きが組み合わさった分回し運動が股関節の動きになります。
股関節はとても広くて大きく動くことができますが、もう一つ体の中に股関節と同じような形をして、大きな運動ができる関節を知っていますか?
そうです。肩関節です。
股関節と肩関節の動きはとても大きく、球状の形をしているので球(臼)状関節と呼ばれています。
肩と股関節は同じ球状関節です。
ここでちょっと考えてみてください。肩がよく脱臼することは耳にすると思いますが、股関節を脱臼したってあまり聞きませんよね。
では、なぜ肩は脱臼しやすいのに股関節は脱臼しにくいのでしょうか?
股関節が脱臼しにくいのは、股関節の構造をみるとわかってきます。
股関節をつくっている骨盤側の受け皿部分、寛骨臼は半円球場をしていて臼蓋の底が深く、大腿骨頭をしっかり覆っているためです。
そしてもう一つ股関節が脱臼しにくい理由は、股関節を支えている靭帯や筋肉がとても強くしっかりしているということです。
股関節を支える靭帯
股関節は歩くだけでも体重の3~4倍もの力がかかると言われています。
靭帯の役割は、骨と骨をつないで関節を安定させる働きをします。靭帯があるおかげで、一定以上の動きを制限して股関節が外れるの(脱臼)を防いでくれます。
股関節の靭帯は、体の中で最も強いつくりになっているので、簡単に脱臼することはありませんが、仮に脱臼したとして、それを整復するには相当な力が必要になります。それだけ股関節は、動いた時に求めらる動的安定性と、姿勢を保つ体を支える働き静的安定性の両方の機能が必要とされる大事な場所です。
つまり、「動く力」と「支える力」この両方が股関節に求められるということです。
では、股関節を支えている靭帯を見ていきましょう。
股関節を支える靭帯は以下の4つからなります。
➀腸骨大腿靭帯(ちょうこつだいたいじんたい)
②恥骨大腿靭帯(ちこつだいたいじんたい)
③挫骨大腿靭帯(ざこつだいたいじんたい)
④大腿骨頭靭帯(だいたいこっとうじんたい)
出典:運動療法のための機能解剖学的触診技術(下肢・体幹)より
➀腸骨大腿靭帯
腸骨大腿靭帯は、股関節の伸展と外旋をした時にこの靭帯は緊張します。
股関節を支える靭帯のなかで最も強く硬い靭帯の一つです
②恥骨大腿靭帯
恥骨大腿靭帯は、股関節の伸展、外転、外旋運動で緊張します。
③坐骨大腿靭帯
坐骨大腿靭帯は、股関節の内旋、伸展、内転運動の際に緊張します。
④大腿骨頭靭帯
大腿骨頭靭帯は、股関節の屈曲、外転時に緊張しますが、股関節の安定性にはあまり関わっていないと言われています。
大腿骨頭靭帯の中には細い血管が通り、大腿骨頭に血液を送っています。
靭帯が緊張することで、股関節の動きを制限する働きが生まれます。伸展や屈曲、内旋や外旋などそれぞれの方向に対して股関節を支える靭帯が緊張することで、股関節の脱臼を防いでくれます。
股関節を支える靭帯を紹介しましたが、股関節を支える、動かすための代表的な筋肉というと、「大殿筋」です。
大殿筋については、こちらの記事にまとめているので参考にしてみてください。
「股関節の筋肉」大殿筋とは?
大殿筋以外にも股関節には欠かせない大切な筋肉はまだまだありますが、それはまたの機会にしたいと思います。
最後に
股関節は、人の体を支えるためにはとても大切な場所で、股関節の問題は全身の不調に及ぶこともあります。特にスポーツにおいて高いパフォーマンスを発揮するには、股関節がしっかり働き、安定性が高いことが求められます。この機会に股関節を見直してみてはいかがでしょうか。
今回は、ここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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