自分の意志で動かせる筋肉(手や足を動かす時に使う筋肉)を骨格筋といいます。一般に皆さんが筋肉と呼んでいるのは骨格筋のことだと思います。
骨格筋は、骨と骨をつないでいるので、必ず筋肉の始まりと終わりがあります。
筋肉がどのようについているか知っていると、関節がどんな感じで動くのかを想像しやすくなるので、特にスポーツ選手などは、自分の体をイメージする際には筋肉の起始と停止がわかっているとパフォーマンスアップや怪我予防に有利になりますので、覚えておいて損はありません。
筋肉の起始と停止とは
骨格筋は、二つ以上の骨をまたいで付着しています。つまり、一つ以上の関節をまたぐように付いています。筋肉が縮むことで関節を動かすことができます。
そして、筋肉の始まりを起始、もう一方の付着部を停止と呼びます。
実際に見てもらった方がわかりやすいと思いますので、肩のインナーマッスルの一つ棘上筋(きょくじょうきん)を例にして説明すると、
棘上筋はこんな感じで骨に付いています。
肩甲骨の後ろから見たところ
参考:Visiblebody
肩甲骨の上方から見たところ
肩甲骨の上の方から上腕骨までついているのがわかると思いますが、肩甲骨に付着している部分が起始、上腕骨についているところが停止になります。
力を出そうとして筋肉が収縮すると、停止部が起始部へ近づこうとするトルクがはたらきます。
この力により、腕の骨を外側に捻る動きや、腕を外側から上げるさいの補助筋として働きます。
起始と停止の決まりはあるの?
それでは、どちらが起始でどっちが停止なのかというと、一般的には体の中心に近い部分に付着している方を起始、反対側を停止、または、筋肉が働いても動かない方を起始、筋肉が収縮した際に動きがある方を停止と呼びます。
先ほどの棘上筋の例では、筋肉が縮むことによって起始部である肩甲骨についている部分は動きませんが、停止部の上腕骨に動きが発生します。
なので、肩甲骨側が起始で上腕骨側が停止になります。
二頭筋・三頭筋の起始と停止について
上腕二頭筋や上腕三頭筋など、〇〇頭筋という名前がついている筋肉があります。
これは、2つまたは3つの筋頭を持っている筋肉を意味しています。
起始部は2つや3つに分かれているけど、途中で合流して停止部は1つになります。
上腕二頭筋
青い方が長頭
参考:VisibleBody
上腕二頭筋では、一つは肩甲骨の上の方(肩甲骨の関節上結節)から出発していて、もう一方は肩甲骨の前にある突起(烏口突起)から起始しているのがわかると思います。二つの筋頭は途中で合流して、前腕の骨で停止しています。
上腕二頭筋の場合は、長頭(ちょうとう)と短頭(たんとう)という2つの筋頭を合わせて上腕二頭筋と呼びます。
上腕三頭筋
上腕三頭筋の場合は、3つの起始部があり、途中で合流して停止部は一緒(肘頭)です。
長頭(ちょうとう)内側頭(ないそくとう)外側頭(がいそくとう)という3つの筋頭があります。
左側の青い部分が長頭、右側が外側頭
参考:VisiBlebody
青い部分が内側頭
筋トレやスポーツをしていて筋肉に詳しい方はご存知だと思いますが、大腿四頭筋や下腿三頭筋といった、下肢についている筋肉も同様です。
大腿四頭筋では、4つの筋頭があり、途中で合流して脛の骨(脛骨粗面)に停止します。
同じく下腿三頭筋は、大腿骨の下の方から2つの起始(内側頭と外側頭)ではじまり、アキレス腱になって踵までついています。
起始と停止がわかると、筋肉が働くことでどんな動きに貢献してるのか想像できるようになるので、楽しいですよ。
今回は筋肉の起始と停止についてでした。
おしまい。
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